千葉県柏市を中心に関東圏で消防設備点検、防災設備工事を行っている防災通信工業です!
消防設備は、火災が発生したときに避難や初期消火をサポートするために欠かせないもので、特に保育園や幼稚園では重要です。小さな子どもたちは避難に時間がかかるため、常に安全に避難できるよう、消防設備が正常に機能する必要があります。そのため、定期的な点検が大切です。
そこで今回は、消防設備点検の概要や消防設備点検が必要な建物、保育園での消防設備点検の重要性などについて紹介します。
◆消防設備点検とは?
国内における消防用設備とは、消防法および関連する政令で規定された「消防活動に使用する設備、消防用水、および消火活動に必要な施設」の総称です。
主なものとして、消火器やスプリンクラー、屋内消火栓などの消火設備、自動火災報知機、ガス漏れ警報装置、漏電火災警報機などの警報設備、避難器具や誘導灯、避難標識などの避難設備があります。これらの設備は、火災が発生した際にその被害を最小限に抑えるために設置されています。
また、建築基準法で定められた防火扉や防火シャッターといった防災設備も存在します。防災設備には明確な定義はありませんが、これらは消防用設備とは異なる法令に基づいて管理されており、建築時には建築基準法や消防法、地方自治体の条例との整合性が求められます。しかし、建物の運用時には、防災設備と一括して管理されるのが一般的です。
消防用設備が設置されているすべての建物や施設には、定期的な点検が義務付けられています。この点検は、消防法第17条の3-3に基づくもので、設備の点検を行い、その結果を消防長や消防署長に報告する必要があります。
消防用設備は普段使用されないため、劣化や故障があっても気付きにくい場合があります。したがって、火災時に正常に作動しないと、重大な人命被害が生じる可能性があります。そのため、定期的な点検では外観の確認や、実際に操作して作動状況をチェックします。外観を確認する「機器点検」は半年に1回、作動確認を行う「総合点検」は年に1回行い、機器点検と同時に実施されます。
◆消防設備が必要な建物
消防用設備の設置や点検は、すべての建物に義務付けられているわけではなく、対象となる建物を「防火対象物」と呼びます。防火対象物はさらに「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」に分類され、それぞれ次のように定義されています。
特定防火対象物
「特定防火対象物」とは、火災が発生した際に多くの人命に危険が及ぶリスクが高い建物を指します。具体的には、不特定多数の人が利用する施設が該当し、劇場、映画館、百貨店、ホテル、飲食店、カラオケボックスなどが例に挙げられます。これらの施設で延べ床面積が1,000㎡以上の場合、消防設備士や消防設備点検資格者による定期点検が義務付けられています。
また、特定防火対象物には、特定の人が利用する施設であっても、病院や福祉施設、幼稚園など、火災時に迅速な避難が困難な施設も含まれています。このため、これらの施設では消防設備の設置基準が特に厳格で、年に1回、点検結果を報告する必要があります。
非特定防火対象物
一方、「非特定防火対象物」とは、主に同じ人々が利用する建物を指します。共同住宅、工場、オフィス、小中学校、大学などがその例です。これらの建物でも、延べ床面積が1,000㎡以上で、消防長または消防署長が指定する場合には、定期点検が必要です。
さらに、神社、教会、図書館、博物館、駅など、不特定の人が利用するものの避難が比較的容易とされる建物も非特定防火対象物に分類されます。これらの施設では、3年に1回の点検報告が義務付けられています。
また、特定防火対象物の中には、消防設備点検に加えて「防火対象物点検」が必要な場合もあります。これは、防火管理や火災予防体制の確認を行い、災害時の対応や火気の使用状況を点検するものです。
◆ 保育園での消防設備点検の重要性
保育施設や福祉施設を利用する小さな子ども、高齢者、障がいのある方々は、一般的に「災害弱者」と呼ばれます。具体的には次のような方々が該当します。
-心身に障がいがある方:肢体不自由、知的障がい、内部障がい、視覚・聴覚障がいがある人
- 高齢者:体力が衰えていたり、認知症を持っている人
- 乳幼児:健康であっても理解力や判断力が十分でない幼い子ども
- 妊婦:一時的に行動が制限される方
- 外国人:日本語の理解が不十分な方
これらの方々は、危険が迫っていても気づく能力が低かったり、気づいても適切な行動をとることが難しい場合があります。そのため、こうした人々が多く利用する建物や施設では、消防用設備の点検が特に重要です。
消防法施行令では、特に避難に時間がかかる幼児が利用する保育園などの施設が特定防火対象物として定められており(6項ハに該当)、年に1回の点検結果報告が義務付けられています。また、6か月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検も必要です。
ただし、保育園で消防用設備の点検を行う際には、以下の点に留意する必要があります。
お昼寝の時間帯を避ける
子どもたちのお昼寝時間(通常13時~15時)に点検を行うのは避けましょう。
点検棒の取り扱いに注意
火災報知器の検査では、最大4メートルの点検棒を使用して感知器をチェックします。検査中に点検棒が子どもに当たらないよう、十分に注意が必要です。
ベル音のテストには事前の許可が必要
自動火災報知機のベルは消防法により90㏈以上の音が出るように定められています。そのため、点検時にベルを鳴らす際には、子どもが驚かないよう、事前に保育士からの許可を得ることが重要です。
また、消防点検の費用には相場があるものの、高額な請求を受けるケースも見られます。悪質な業者に依頼しないよう、事前にインターネットで評判を確認したり、消防署に相談して信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。ただし、消防署自体は点検業務を行っていません。
◆ 罰則や対応
消防用設備の点検は、火災発生時に人命や財産への被害を最小限に抑えるために行われます。そのため、点検や報告を怠った場合、消防法第44条に基づき30万円以下の罰金や拘留の罰則が科される可能性があります。また、次のような場合も罰則の対象となるため、注意が必要です。
無資格者が点検を行った場合
消防設備の点検は、消防設備士や消防設備点検資格者によって行われる必要があります。(それぞれの資格には、対応できる範囲が異なります。)無資格者による点検は無効です。
建物全体の点検を行わなかった場合
点検の対象は、建物内のすべての消防用設備です。建物の全フロアが点検対象となります。
虚偽の報告を行った場合
点検結果は正確に報告書に記載する必要があります。虚偽の報告は罰則の対象となります。
規定された時期に点検を行わなかった場合
機器点検は年2回、総合点検は年1回実施することが義務付けられています。
点検の結果、不備が見つかった場合は、速やかに交換や改修を行う必要があります。消防設備に不備があると、火災などが発生した際に被害が拡大する恐れがあるため、できるだけ早く正常な状態に戻すことが重要です。不備が見つかった場合、消防署に報告書を提出する際には、改修予定を記載した「消防用設備等点検報告改修計画書」も併せて提出します。
主な消防設備の交換の目安は以下の通りです。
- ガス漏れ警報器:5年
- 消火器:10年
- 煙式感知器、熱式感知器(半導体式):10年
- 熱式感知器、非常警報設備:15年
- 閉鎖型スプリンクラーヘッド、消火栓開閉弁:18~20年
- 発信機、受信機、防排煙設備連動操作盤:20年
まとめると、保育園などでは、子どもたちの安全を守るためにも、消防設備の定期的な点検と適切な対応が不可欠です。
防災通信工業ではみなさまの消防設備の予防保全をしっかりサポートするために、自社で消防設備点検や消防設備工事を設計から届け出まで一気通貫で行っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください!