「連結送水管 耐圧試験」の通知が届いた管理者様へ。その不安、放置していませんか?

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マンションやビルの管理組合様、オーナー様のもとへ、所轄の消防署から「連結送水管の耐圧性能点検」に関する通知が届いていないでしょうか。


「設置後10年」のタイミング、あるいは「前回の点検から3年」のタイミングで届くこの通知は、多くの場合、管理者様にとって大きな不安の種となります。 「費用は一体いくらかかるのか?」 「万が一、点検作業中に古い配管が破裂して、水漏れ事故でも起きたら…」


その不安は当然のことです。 連結送水管は、火災時に消防隊が消火活動を行うための「命綱」です。だからこそ、消防法第17条の3の3に基づき、定期的な点検と報告が厳しく義務付けられています。


もし、この法的義務を怠った場合、消防法第44条に基づき「30万円以下の罰金または拘留」が、さらに第45条の「両罰規定」により法人(管理組合や管理会社)に対しても罰金が科される可能性があります。


この記事では、点検費用の相場から、最悪の事態「水損事故」を回避するための専門的な業者選びまで、プロの視点で徹底解説します。




■ 相場はいくら?点検費用と見積りの見方

連結送水管の耐圧試験は、消防庁の点検要領に基づき、「設置後10年を経過した際に初回、その後は3年ごと」の実施が定められています。


費用の目安は、1系統(立管)あたり10万円~となるケースが多いですが、以下の要因で大きく変動します。


配管の種類(乾式/湿式): 配管内が空の「乾式」は、後述する空気圧試験が必要なため、高額になる傾向があります。


系統数・放水口の数: 配管の系統(タテ管)や、各階の放水口の数が多ければ、その分作業量が増えます。


建物の階数・構造: 高層階ほど作業工数が増加します。


見積書には「基本作業費」「機材使用料(加圧ポンプ、コンプレッサー等)」「報告書作成費」などが含まれますが、本当に確認すべきは、価格の背後にある「作業内容」です。




■ 「乾式」での水損を避ける最重要プロセス(空気圧予備試験)

連結送水管には、配管内に常に水が満たされている「湿式」と、通常時は空になっている「乾式」(多くのマンション・ビルで採用)があります。


この「乾式」こそが、点検時に最大の注意を要します。


築10年以上が経過し、内部で腐食が進んでいるかもしれない「乾式」の配管に、いきなり高圧の水をかける行為には、甚大なリスクが伴います。万が一、腐食箇所が圧力に耐えきれず破断・噴水した場合、点検費用とは比較にならない「水損事故」(内装、什器、テナント営業補償など)に発展し、数百万~数千万円規模の賠償問題になる可能性もゼロではありません。


そこで、良心的な専門業者が必ず行うのが「空気圧予備試験(気密試験)」です。 これは、本格的な水圧試験の前に、まず配管に「空気」や「窒素ガス」を送り込み、圧力の低下がないか(=大きな穴や漏れがないか)を安全に確認するプロセスです。


この予備試験は、法律で明示的に義務化されているわけではありません。しかし、管理者様と居住者様の資産を水損リスクから守るために、業界実務として不可欠な「ベストプラクティス(最善の手順)」なのです。




■ 兼用配管は“どこまで”試験する?(区間耐圧の考え方)

もう一つ、専門家を見分けるポイントがあります。 それは、連結送水管が「屋内消火栓」と配管を共用している「兼用配管」の扱いです。


消防庁の点検要領では、屋内消火栓と共用している配管部分については、耐圧性能点検の対象外とされています。 この場合、専門知識のある業者は、配管全体ではなく、地上の「送水口」から、共用配管に合流する手前の「直近バルブ(逆止弁や仕切弁)」までを対象とする「区間耐圧」という合理的な方法を提案します。


この知識がない業者は、不要な(そしてリスクのある)加圧試験を行おうとしたり、見積もりが過剰になったりする可能性があります。




■ 見積り比較チェックリストと信頼できる業者の見分け方

「安い見積もり」は、前述した「空気圧予備試験」や「必要な人員」を省略している可能性があります。価格だけで選ばず、以下のチェックリストで「リスク管理能力」を比較してください。



【連結送水管 耐圧試験:見積り比較チェックリスト】


☐ 乾式の場合、「空気圧予備試験」は作業工程に含まれているか?


☐ 兼用配管の場合、「区間耐圧」を考慮した見積りになっているか?


☐ 万一の事故に備えた「賠償責任保険」に加入しており、証券の写しを提示できるか?


☐ 不具合発見時、「改修工事」までワンストップで対応可能か?


☐ 長期契約を任せられる経営基盤(例:無借金経営など)があるか?


私たち防災通信工業が、なぜ「点検から改修までワンストップ」で対応できるのか、そしてどのような想いで日々の業務にあたっているのか。 私たちの強みや大切にしている姿勢については、こちらのページ(https://www.bousai-tk.co.jp/about_us)で詳しくご紹介しております。ぜひ一度ご覧ください。




■ よくある質問(FAQ)

Q. 連結送水管の耐圧試験、いつから必要?

A. 消防庁の点検要領に基づき、「設置後10年」を経過した際に初回、その後は「3年ごと」に実施が求められます。



Q. 費用はいくら?

A. 1系統あたり10万円~が目安ですが、乾式か湿式か、系統数、階数によって大きく変動します。必ず複数の業者から「作業内容」を含めた見積もりを取ってください。



Q. 兼用配管だと点検は不要?

A. いいえ。配管すべてが免除されるわけではありません。屋内消火栓と「共用している部分」が除外されるだけで、地上の送水口から合流部までの「専用部分(区間耐圧)」は点検対象となるのが一般的です。




■ 点検は「コスト」ではなく、資産価値を守る「投資」。まずは専門家へ相談を


連結送水管の耐圧試験は、単なる法的義務(罰則回避)や「コスト」ではありません。 それは、甚大な「水損事故」のリスクを回避し、入居者様の安全を守り抜き、そして皆様が管理する大切な建物の「資産価値」を守るための、極めて重要な「投資」です。


「うちの建物の見積もりは、果たして適正だろうか?」 「乾式か湿式かも分からないが、安全に点検してくれるだろうか?」


そうした不安を抱えたまま放置するのではなく、まずは信頼できる専門家に相談し、現状を正確に把握することから始めてください。 こちらの専用お問い合わせフォーム(https://www.bousai-tk.co.jp/contact)より、お気軽にご連絡ください。