屋内消火栓と消防ホースの種類についてまとめました!

千葉県柏市を中心に関東圏で消防設備点検、防災設備工事を行っている防災通信工業です!


消火器では対応できない火災を消火するために、建物内に設置される消火栓は「屋内消火栓設備」と呼ばれます。この設備には消防ホースが接続されており、このホースは定期的な耐圧点検が義務付けられています。


火災が発生した際、迅速な消火活動を行うためには、屋内消火栓設備の適切な管理が重要です。今回は屋内消火栓の種類や消防ホース耐圧点検の重要性、点検の手順について2週に分けて詳しく説明します!


この記事では屋内消火栓の種類やホースの役割についてご紹介いたします。



◆屋内消火栓の種類と性能の違い


屋内消火栓設備は種類によって性能が大きく異なります。設置場所に応じて最適なタイプを選ぶために、それぞれの特徴と性能について説明します。



・1号消火栓


1号消火栓は、屋内消火栓の中で最も放水量が多く、水圧も高いため消火能力が優れています。このため、2人以上で操作する必要があります。設置場所には特に制限はありませんが、大量の水を必要とする工場や倉庫、指定可燃物の貯蔵所や取扱所では、1号消火栓しか設置できないとされています。


1号消火栓のホースは、布製の平らなホースが縦に折りたたまれた状態で収納されています。ホースは、じゃばら状に櫛に掛けられているか、巻かれた状態で収納されており、水が通ると円筒形に広がります。


使用時には、まず発信機のボタンを押すことでポンプが作動し、表示灯が点滅しベルが鳴ります。ノズルを持ちホースを伸ばし、放水体勢を整えた後、開閉弁を開くと放水が始まり、消火が可能になります。


さらに、「易操作性1号消火栓」と呼ばれる設備もあり、これは保形ホースが備わっているため、操作が簡単になっており、1人でも操作できる構造となっています。



・2号消火栓


2号消火栓は、1号消火栓(易操作性1号消火栓)と比較して、放水量や水圧が低く、1人でホースを引き出して放水できるタイプです。ホースは筒状の保形ホースが収納されており、ホースを引き出している途中でも放水が可能です。1号消火栓の設置が義務付けられている場所以外であれば設置することができます。


1人で操作できるため、その使用手順は1号消火栓と少し異なります。最初に開閉弁を開けるとポンプが作動し、表示灯が点滅し、ベルが鳴り始めます。その後、ノズルを持ってホースを引き出し、ノズルのコックを開くことで放水が開始されます。



・補助散水栓


補助散水栓はスプリンクラー設備の一部で、「散水栓」や「消火用散水栓」とも呼ばれることがあります。これは、天井裏に配置されたスプリンクラーの配管と接続された散水栓で、スプリンクラーによる消火活動を補助する役割を果たします。


スプリンクラーだけでは対応が難しい天井付近の火災や、スプリンクラーヘッドの設置が免除されているトイレや浴室などの水回りでの初期消火を目的に、スプリンクラー設備と一緒に設置されます。


構造は2号消火栓と似ていますが、給水方法や作動方法が異なります。補助散水栓では、開閉弁やノズルを開けるだけで放水が始まり、ポンプの起動は必要ありません。





◆消防ホースの種類と役割

消火栓の説明の中で消防ホースの種類について少し触れましたが、ここでは各種ホースの詳細とその役割について解説します。



・ 平ホース


1号消火栓で使用される平たい形状のホースで、一般には「ジャケットホース」と呼ばれます。布(ジャケット)を筒状に編んだ後、内側にゴムや合成樹脂の内張りが施され、送水時の漏水を防ぐ仕組みになっています。


平らな形状のため、折りたたんでコンパクトに収納でき、取り扱いが容易です。長さは、乾燥した状態で10m、15m、20m、30mの4種類があり、1人では展開できないため、2人以上で作業を行います。1人がホースを伸ばし、もう1人が放水バルブを操作する役割を分担して行います。



・ 保形ホース


保形ホースは、横糸に剛性の高いモノフィラメントを使用し、さらにワイヤーなどで補強されているため、常に丸い形状を保つホースです。この特性により、1人でも操作が可能で、主に2号消火栓や補助散水栓で使用されます。


長さは平ホースと同じく、乾燥した状態で10m、15m、20m、30mの4種類があります。


保形ホースには耐圧試験の義務はなく、製造から10年間は点検が免除されます。ただし、それ以降は3年に1回の点検が必要です。



・大容量泡放水砲用ホース


大容量泡放水砲用ホースは、石油タンクの全面火災に対応するため、毎分1万リットルから3万リットルという大量の水を放射できるシステムに対応するホースです。平成15年に発生した十勝沖地震での浮き屋根式屋外タンク貯蔵所の全面火災を受け、直径34メートル以上の浮き屋根式屋外タンクを保有する特定事業所に、このシステムの配備が義務付けられました。


大容量であるものの、ホースの材質や性能は平ホースとほぼ同じです。ホースの長さはシステムによって異なり、泡消火薬剤は2時間にわたって継続放射できる量を備えています。



・濡れホース


濡れホースは、ホースの内張りに無数の小さな穴が開いており、送水時にホース全体の表面へ水が染み出す仕組みを持っています。これは平ホースに通水性を追加したもので、火災現場での使用中にホース自体を濡らし、耐熱性を高める効果があります。長さは20mまたは30mで、特に海外の山林火災で多く使用されています。





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