【資格を確認】二酸化炭素消火設備の点検は誰ができる?第3類消防設備士との違い

皆さん、こんにちは。

千葉県柏市を拠点に、消防設備の設計・施工・点検・メンテナンスを手掛けている株式会社防災通信工業です。


立体駐車場や電気室、機械室などに設置されている二酸化炭素消火設備について、


「点検にはどの資格が必要なのか」

「消防設備士であれば何類でもよいのか」

「管理会社の担当者が点検してもよいのか」


と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。


結論からお伝えすると、二酸化炭素を消火剤とする全域放出方式の消火設備については、建物の延べ面積にかかわらず、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が必要です。


この取り扱いは、2023年4月1日から適用されています。


二酸化炭素消火設備を点検できる主な資格は、甲種・乙種第3類消防設備士または第1種消防設備点検資格者です。


この記事では、二酸化炭素消火設備の点検資格、甲種と乙種の違い、点検業者を選ぶ際の確認事項について解説します。



【目次】

  1. 二酸化炭素消火設備の点検に必要な資格
  2. 有資格者点検の対象となる設備
  3. 第3類消防設備士が扱える設備
  4. 甲種・乙種・点検資格者の違い
  5. 二酸化炭素消火設備の点検頻度
  6. 点検時に確認される主な項目
  7. 設備周辺で工事を行う場合の注意点
  8. 点検業者を選ぶポイント
  9. 点検資格に関するよくある質問
  10. まとめ




■二酸化炭素消火設備の点検に必要な資格

二酸化炭素消火設備を点検できる主な資格は、甲種第3類消防設備士、乙種第3類消防設備士、第1種消防設備点検資格者です。


二酸化炭素消火設備は、不活性ガス消火設備に分類されます。


第3類消防設備士は、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備などを取り扱う資格です。


また、第1種消防設備点検資格者は、不活性ガス消火設備を含む、主に機械系統の消防用設備等を点検できます。


そのため、点検を依頼する際は、単に「消防設備士が在籍しているか」だけでなく、対象設備に対応した資格を持っているか確認することが重要です。


参考サイト:一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士について」

参考サイト:総務省消防庁「消防設備点検資格者が点検を行うことができる消防用設備等の種類



■有資格者点検の対象となる設備

2023年4月1日から、全域放出方式の二酸化炭素消火設備が設置された防火対象物は、延べ面積にかかわらず、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が必要となりました。


全域放出方式とは、防護区画となる室内や空間全体へ消火剤を放出し、火災を消火する方式です。


二酸化炭素が高い濃度で放出されるため、防護区画内に人がいる状態で設備が作動すると、重大な事故につながるおそれがあります。


なお、法改正によって延べ面積を問わず有資格者点検の対象に追加されたのは、全域放出方式の二酸化炭素消火設備です。


局所放出方式など、ほかの方式については、建物の用途や規模など、通常の消防設備点検に関する基準によって有資格者点検が必要か判断されます。


「全域放出方式ではないから資格者は不要」と自己判断せず、設備の方式と建物の条件を確認してください。


参考サイト:東京消防庁「二酸化炭素消火設備による事故防止について」

参考サイト:一般財団法人日本消防設備安全センター「二酸化炭素消火設備に関する基準改正」




■第3類消防設備士が扱える設備

消防設備士の資格は、消防設備の種類ごとに「類」が分かれています。


第3類消防設備士が取り扱う主な設備は、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、一部のパッケージ型消火設備です。


二酸化炭素消火設備は、不活性ガス消火設備に含まれるため、第3類が対象となります。


たとえば、自動火災報知設備を扱う第4類や、消火器を扱う第6類の資格だけでは、二酸化炭素消火設備の点検資格にはなりません。


資格者へ依頼する際は、保有している消防設備士免状の「類」まで確認しましょう。


参考サイト:一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士について」




■甲種・乙種・点検資格者の違い

二酸化炭素消火設備を取り扱える資格でも、対応できる業務範囲には違いがあります。


甲種第3類消防設備士は、二酸化炭素消火設備を含む対象設備の工事、整備、点検に対応できます。


乙種第3類消防設備士は、対象設備の整備と点検に対応できますが、消防法上の工事は行えません。


第1種消防設備点検資格者は、対象となる消防用設備等の点検に対応できますが、消防設備士として工事や整備を行う資格ではありません。



・甲種第3類消防設備士

甲種第3類消防設備士は、二酸化炭素消火設備を含む対象設備の工事、整備、点検に対応できます。


設備の新設や配管変更、制御盤・起動装置などの改修工事を行う場合は、甲種第3類消防設備士による対応が必要です。



・乙種第3類消防設備士

乙種第3類消防設備士は、対象設備の整備と点検に対応できます。


ただし、消防法上の工事は行えません。


点検で不具合が見つかり、設備の改修工事が必要になった場合は、甲種第3類消防設備士による対応が必要となります。



・第1種消防設備点検資格者

第1種消防設備点検資格者は、不活性ガス消火設備を含む、主に機械系統の消防設備を点検できます。


ただし、この資格で認められている業務は点検です。


設備の工事や整備を行う場合は、対応する消防設備士資格が必要となります。


参考サイト:一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士について」

参考サイト:総務省消防庁「消防設備点検資格者が点検を行うことができる消防用設備等の種類」


防災通信工業の対応体制や事業について確認したい方は、まずはこちらをご覧ください。

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■二酸化炭素消火設備の点検頻度

消防用設備等の点検には、「機器点検」と「総合点検」があります。


機器点検は、6か月に1回実施します。


設備の配置、損傷の有無、表示、機器の状態などを、外観や簡易な操作によって確認します。


総合点検は、1年に1回実施します。


設備の全部または一部を作動させるなどして、設備全体の機能を確認します。


点検結果を消防署へ報告する頻度は、建物の用途によって異なります。


一般的には、飲食店、店舗、ホテル、病院など、不特定多数の人が利用する特定防火対象物は1年に1回です。


事務所、工場、共同住宅などの非特定防火対象物は、3年に1回です。


ただし、報告が3年に1回の建物でも、点検自体を3年に1回に減らせるわけではありません。


点検周期と報告周期は分けて管理しましょう。


参考にしたサイト:東京消防庁「消防用設備等の点検・報告」




■点検時に確認される主な項目

二酸化炭素消火設備の点検では、設備の方式や構成に応じて、さまざまな項目を確認します。



・貯蔵容器・容器弁

二酸化炭素を貯蔵する容器や容器弁に、腐食、変形、損傷などがないか確認します。


接続部分からの漏れや、容器の固定状態も確認対象となります。



・配管・選択弁

配管の腐食、変形、損傷、支持状態などを確認します。


複数の防護区画がある設備では、消火剤を放出する区画を切り替える選択弁の状態も確認します。



・制御盤・起動装置

制御盤、手動起動装置、自動起動装置などが正常な状態にあるか確認します。


緊急停止装置や、自動・手動の切り替え機能も重要な確認項目です。



・音響警報装置

二酸化炭素が放出される前に、防護区画内や周辺にいる人へ危険を知らせる警報装置を確認します。



・閉止弁

閉止弁は、工事・整備・点検時などに二酸化炭素が誤って放出されることを防ぐための弁です。


開閉状態、表示、制御盤への信号などが適切か確認します。



・標識・備え付け図書

二酸化炭素の危険性を知らせる標識が、貯蔵容器を設けた場所や防護区画の出入口などに設置されているか確認します。


また、制御盤の付近には、設備の構造や、工事・整備・点検時に取るべき措置と手順を記載した図書を備えておく必要があります。


実際の点検は、設備の種類に応じて定められた点検基準と点検要領に基づいて行います。


参考サイト:総務省消防庁「二酸化炭素消火設備に係る基準改正のポイント」


消防設備の点検や改修について相談先を探している方は、当社サイトもお気軽にご確認ください。

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■設備周辺で工事を行う場合の注意点

二酸化炭素消火設備では、設備そのものを点検・改修するときだけでなく、防護区画やその付近で別の工事を行う場合にも注意が必要です。


たとえば、機械式駐車装置の修理、電気配線工事、通信設備工事、機械設備のメンテナンス、天井や壁の改修、内装工事、配管・配線付近での穴あけ作業などが該当します。


防護区画内に人が立ち入る場合は、閉止弁を閉止した状態にし、自動起動方式の設備は手動起動に切り替えた状態を維持するなどの安全措置が必要です。


工事業者が二酸化炭素消火設備の配管や配線を把握していないまま作業すると、設備の誤作動につながるおそれがあります。


設備付近で工事を予定している場合は、工事前に消防設備業者へ相談してください。


参考サイト:総務省消防庁「二酸化炭素消火設備に係る基準改正のポイント」




■点検業者を選ぶポイント

二酸化炭素消火設備の点検を依頼するときは、「消防設備の点検に対応している」という説明だけで判断しないことが重要です。


まず、第3類消防設備士または第1種消防設備点検資格者が在籍しているか確認しましょう。


そのうえで、二酸化炭素消火設備の点検経験があるか、設備の方式を確認できるか、閉止弁や起動装置の点検に対応できるかを確認します。


点検結果報告書の作成や消防署への報告に対応できるかも重要です。


また、点検で不具合が見つかった場合に、整備や改修工事まで相談できるか確認しておくと、別の業者を探す負担を減らせます。


設備周辺で内装工事や設備工事を行う場合は、誤放出を防ぐための安全対策について相談できるかも確認しましょう。


資格を持っていても、すべての資格者が二酸化炭素消火設備の点検経験を十分に持っているとは限りません。


資格の種類に加えて、設備の方式や構造を理解し、安全手順に基づいて作業できるか確認することが大切です。




■点検資格に関するよくある質問



・消防設備士であれば何類でも点検できますか?

二酸化炭素消火設備に対応するのは、甲種または乙種の第3類消防設備士です。


別の類の消防設備士資格だけでは、二酸化炭素消火設備の点検資格にはなりません。



・甲種と乙種のどちらでも点検できますか?

甲種第3類と乙種第3類は、いずれも点検に対応できます。


ただし、甲種は工事・整備・点検に対応できるのに対し、乙種は整備・点検に限られます。



・第1種消防設備点検資格者でも点検できますか?

第1種消防設備点検資格者は、不活性ガス消火設備を点検できます。


ただし、工事や整備を行う資格ではありません。



・電気工事士がいれば点検できますか?

電気工事士資格だけでは、二酸化炭素消火設備の法定点検を行う資格にはなりません。


対象設備に対応した消防設備士または消防設備点検資格者の資格が必要です。



・管理会社の社員が点検してもよいですか?

管理会社の社員であっても、対象設備に対応した資格を持っていれば点検できます。


全域放出方式の二酸化炭素消火設備については、無資格の担当者だけで法定点検を行うことはできません。




■まとめ

二酸化炭素消火設備を点検できる主な資格は、甲種第3類消防設備士、乙種第3類消防設備士、第1種消防設備点検資格者です。


特に、全域放出方式の二酸化炭素消火設備については、2023年4月1日から、建物の延べ面積にかかわらず有資格者による点検が必要となっています。


甲種第3類消防設備士は工事・整備・点検、乙種第3類消防設備士は整備・点検、第1種消防設備点検資格者は点検に対応します。


点検を依頼する際は、資格の有無だけでなく、二酸化炭素消火設備の点検経験や安全対策への理解も確認しましょう。


防災通信工業では、消防設備の設計、施工、点検、消防への届出まで一貫して対応しています。


二酸化炭素消火設備については、設備の方式や設置状況を確認したうえで、点検・改修の対応可否をご案内します。


「設置されている設備の方式が分からない」


「現在の点検業者が必要な資格を持っているか確認したい」


「設備の付近で内装・改修工事を予定している」


といった場合は、過去の点検報告書や設備の写真をご用意のうえ、お気軽にご相談ください。